アクセル・ローズ、死刑執行前にインドネシア大統領へ手紙を宛てる

2015年05月01日 08:16

28日の朝早くに目覚めて、枕元のケイタイを手にとったら画面にアクセルの名前が。

Tweetの通知でした。


目をこすりながら開くと

@axlrose No word on Indonesian executions. There could still be time...

インドネシアの死刑執行には言葉もない。まだ間に合うかも…

 

というつぶやきの後にリンクがあり、踏んでみると
FacebookのGuns公式アカウントに飛びました。

 

開いてびっくりです スクロールしてもしても終わらない長い公開書簡

宛先はインドネシア首相。

 

なんのことか、すぐ思い当たるフシがあったのは
オーストラリアのGunsファンのお友達が「10年前に麻薬密売で逮捕されたオーストラリア国籍の二人を含むBali9と呼ばれる9名と、冤罪の主張をしているフィリピン女性に対し、まもなく死刑が執行される」という話をしていたからです

 

更生プログラムを10年も受けさせたのに、なぜ今執行なのか?という話でした

 

まさかAxlがそれについてこんなに詳しく知っていて、さらに首相に手紙を送って執行の中止を嘆願するとは思いもしなかったんですけどね。

インドネシアの首相はメタラーだっていうのは去年の選挙の時から話題になっていて

どれくらいメタラーかというと、これくらいメタラーです

 

2012年のGunsジャカルタ公演も見に来てたんですよね。

そのときの 動画 もあります。
 

難しい単語が(いつもどおり)たくさん並んでいて読むのにすごく時間がかかりました

 

「時間を割いてこの手紙を読んでいただくことに感謝します」

という丁寧なお礼から始まるこの手紙は

 

2012年のインドネシア滞在時、ライブの時もファンに会った時も、とにかくどこに行っても信じがたいほどあたたかかく優しく迎えてくれたことに自分たちがどれだけ驚いたか、そしてそれがどれほど特別な経験だったかを言葉を重ねて伝えています。

 

Axlはインドネシアが大好きなんですね。これ、お世辞じゃないと思います

 

そこから続く死刑執行の停止を求める怒涛の嘆願…わからないところもあったけど、とにかく言葉が丁寧。本当に丁寧でした。

強い言葉は使わず、自分の疑問に思っている点を具体的に挙げていて

「死刑執行は温情が感じられず、過去を悔いている人間にはあまりにも重すぎる」と。

言葉を選びつつも主張はシンプルかつストレートです


彼らの命を断つのとは別の選択をすることに力を行使するなら

他国との絆をさらに強くすることも可能です。諸外国はあなたとあなたの国の、並外れた慈悲深さと勇気の目撃者となれるのです。

 

って書いてあった…(と思いますたぶん)

 

Axlってすごいなと思うのは、相手がだれでも態度が変わらないことです。

一国の首相宛にこのような手紙を書けば、いろんなことを言われるのはわかっているでしょうに。

批判非難誹謗中傷、色々受けるでしょうに、そんなことは問題じゃないんですね。

 

正しいと思ったことは貫き通すんですよね。つくづく圧倒されます。

「俺が言ったところで執行直前の刑が中止になるはずないよね」と思わないのがすごい

 

先日、Betaさんの昔のインタビューを読んでいたら

Axlは公平かどうか、フェアかどうか、ということを常に気にかけているのよ。私に「俺はちゃんと公平にできてるかな」といつも訊いてくる。

 

って書いてありました

”フェアかどうか”にプライオリティを高く置いている、だからこういうことができるんだなと。

私が読んで一番印象に残ったのは、この一文

 

People make mistakes,sometimes big and horribly regrettable mistakes and sometimes more importantly people learn from their mistakes and make new choices, strive and succeed at true positive change. 

To not acknowledge and give such change the opportunity to prove it's value would seem in this case a greater crime than those originally committed.


でも、このセンテンスは人々の胸に強く訴えるものがあったようで、いろんなサイトやニュース記事が抜き出して紹介していました。

 

今回の執行からニュースをいろいろと遡って読んでみて、初めて、インドネシアの薬物汚染問題がかなり深刻であることや

なんとか食い止めたい政府と首相の強い意志があること、国際批判を浴びても薬物犯罪は厳罰に処するという姿勢を崩していないこと

そしてそれに賛同する国民、という状況を初めて知りました


結局、Axlの嘆願は届かず刑は執行されてしまいました

 

後半で名前が上がっているフィリピン女性は執行を「延期」されましたね

執行後すぐに、またAxlがTweetしました

今度はかなり強い言葉が含まれていました

 

首相が、強い非難にも耳を貸さず、死刑囚の最後の嘆願も読まず

その間、国外にいたことはCowardice"卑怯だ"と言っていますよね。

 

Bail9が服役中どんな風にどれほど更生したのか

どんな思いでいたのか、過去の過ちを悔いて新しい道をどう模索していたのか

詳しくは私は知らないのですがAxlは知っているんでしょうね…

 

参考文献もあたらないで、内容もよく知らないで

私が軽々に良し悪しを言うことはできませんが

Axlの思いはとても強くて、文章には胸を打つ表現が多く、伝わるものはたくさんありました。

 

 

【News】アクセル・ローズ、死刑執行前にインドネシア大統領へ手紙を宛てる(billboard Japan

 麻薬犯罪で死刑宣告を受けたインドネシアの囚人について、ガンズ・アンド・ローゼズのアクセル・ローズが自身の考えを同国のジョコ・ウィドド大統領に向けた長文の文書にて表明した。この思慮深い言葉は4月29日の死刑執行を前に書かれたものだったが、彼らの免罪には至らなかった。同文書は4月27日付となっており、オーストラリア国籍の2人と他6人が処刑される直前の28日にFacebookに掲載された。そこには「私が彼らと面識がないのは事実ですが、彼らの話に深く心を動かされました。彼らが不運ながら間違いなく自ら招いた状況に、私やその他多くの人たちは自分に置き換えて考えられるでしょう」とある。
 ローズが名前を挙げたフィリピン人女性は、最後の最後になって刑の執行を延期することに成功している。
 ローズは「人は過ちを犯します。大きな、取り返しのつかない過ちを犯すこともありますが、何より過ちから学び、新たな選択をし、努力し、真に前向きな変化を成すこともあるのです。このような変化を認めず、その意義を証明する機会を与えないのは、元の罪よりも罪深いことでしょう」と続ける。
 ガンズ・アンド・ローゼズは2012年にインドネシアを訪れジャカルタ公演を行っており、“とても特別で素晴らしい体験だった”としている。ローズはウィドド大統領へ、その時に受けたもてなしに対しお礼を述べている。
 さらにローズは、「この人たちが単に見せしめのために死ななければならないのは、誘拐犯やテロリストが主張のためや要求を満たすために人質を殺すことと似ていると私は考えます。死刑執行において今回の例は、厳しすぎる報いです。何年間も社会復帰教育を受け、心から後悔し過ごした死刑囚の生涯のこの段階での処罰がもはや、元の罪に見合わなくなっているのです」と訴えていた。
 文書の全文はFacebookで読むことができる。
Axl Rose's letter to Indonesian President