タオル一枚のスティーブン・タイラー
いま私は、少し前に発売された
Welcome to my jungleという本を読んでいる途中です。
Use Your Illusionツアーの最中に、アクセルのパーソナルアシスタントを勤めていた方が書かれたBehind the sceneというか、当時Guns N' Rosesのツアーってどんな感じだったかがよくわかる内容です。
これが、いわゆる悪意のある暴露本じゃないんですよ~
彼が見てきたもの・感じたことが、面白く、読みやすい優しい英語で書かれていて
英語苦手な人でも多分読めます!
Axlと著者はほんとにいいお友達だったんだなってよくわかります。
前にAxl Roseのいかれた蛾の対処法という記事をエントリーしましたが、
それもこの本の中に書かれているエピソードです。
あと四分の一を残すばかりで、読み終わるのがもったいない気分
いろんなアーティストが出てきます。シャノン・フーン、U2、エルトン・ジョン、カート・コバーンとか…
U2とのエピソードは笑えるし感動的だし…
カートとAxlの大喧嘩の話なんて、実際起きたことは本当に些細な一瞬の出来事で、
それが世間でどんだけおおごとにされたかよくわかりましたw
今日読んだ一章には、Aerosmithのスティーブン・タイラーが出てきました。
その話があんまりにもカッコよかったので、書いていいですか…
タラリコさんかっこよすぎ
ウワァァァァァァヽ(`Д´)ノァァァァァァン!
ってなりました
1992年7月、今から22年前のこと
あのパリのショウ…有名なショウですよね
スティーブンとジョーが参加したあれです。
ガンズ歴代ショウの中でも人気の…
ブートも出てるし、リハの様子なんかもYoutubeで見れます
著者はAxlのテレプロンプターに歌詞を表示させるお仕事も担当されていたそうで
(セトリを持たないGunsでそのお仕事はとんでもなく大変だったみたい)
そのショウの前に、Axlから
「スティーブンの部屋に行って、Train kept A-Rollin'の歌詞を聞いてきて」と頼まれたそう。
「スティーブンって、あのスティーブン?スティーブン・タイラー?」
と聞いてしまうほど飛び上がったそう。
彼はAerosmithの大ファンでもあったからです。
今でこそ歌詞なんてググればすぐわかる時代ですが
当時はそうコトは簡単ではなかった。
ペンとメモを持って同じホテルに泊まっているスチのところに向かったと。
そうです!手書きです。
部屋に向かう途中で、スチが「お前俺のヒット曲の歌詞も知らないのか!」
って怒りだしたらどうしようとドキドキしながら、でも行くしかない。
恐る恐るノックすると、タオル一枚ペロッと巻いたスチが。
「スティーブン、私はクレイグと言ってAxlと仕事をしている者です。
今夜のショウのために、Train Kept A-Rollin’の歌詞を教えていただけますか?
あなたとAxlがステージでエンジョイしすぎて歌詞を忘れてしまった時のために…
二人のために歌詞をステージモニターにアップしたいんです」
スチが自分の曲の歌詞なんか忘れるわけねえだろ!と怒ったらどうしようと
思いながらもそう伝えると
スチ「もちろん、いいよ中に入って」
部屋には誰もおらず、彼とスチとタオルだけだったそう(笑
椅子に座り、ペンとメモを持つと
スチ「Are you ready?」
「えっと、どうしましょうか?どこかに歌詞があればコピーさせてもらえばそれで‥」と言うと、
スチ「君のために歌うよ。準備はいい?」
言葉を失っている著者に
スチ「大丈夫?いいかい?」
「用意できてます」
スチはタオル一枚で、アカペラで、彼だけのために
Train Kept A-Rollin'を歌ってくれたそうです、それはそれは素晴らしい声で。
彼自身大ファンなんだからその時の気持ち想像したら
手が震えますよね…
1番を歌い終わってスチが「書けた?」と聞いてくれたけれど
最初の3つの単語を書いて手が止まってしまったとしか言えなかったそう。
「書くのが遅くて…Train Kept A…しか書けませんでした…あとはついて行けなくて…」
ふざけんなよと言われてもおかしくないシチュエーションなのに
スチ「オッケー、もう一回最初から行くよ」
一番最初からまた歌い出した
今度は必死に書き落としながら、
”俺は今、フリーのライブを見てる…パリのファイブスターホテルで、Aerosmithのリードシンガーの素晴らしい歌を一人で聴いてる”
からの、「神に感謝」
それはそうだよ…もう最高すぎるでしょ
最後の単語を書き終わるまで、なんとスチは
8回もTrain Kept A-Rollin'をうんざりすることもなく歌ってくれたそうです
タオル一枚で。
人柄が滲みすぎてて読みながら泣けてきました。
その時、Googleがなくて本当によかったね…あったら、そんな経験できなかったものね。
というわけで、この本最高に面白いです。ぜひ、読んでみてください!
その日のTrain Kept A-Rollin' の動画はこちらです