自由に

2014年11月07日 18:04

 

買い物から戻る道
わたしの横を学校帰りの1年生の男の子がひとりで歩いていました。

 

黄色い帽子に黒いランドセル、給食袋が揺れてます。

 

割と大き目なひとりごとを言ってる。
身振り手振りから、彼にしか見えない敵を倒しているのは一目瞭然です。

 

真剣なんですよね。
通学路に一体どんな敵がいるんでしょうか?

 

家への道を少しずつ進みながらも
彼の目は、半分外に向かってて、半分自分の世界に向けられている

 

彼にしかわかんない設定のなか
彼が決めた技で キメ台詞で 倒してるんだろうなと。

 

わたしが見てることに気づいたら
彼が今見てる世界は一瞬で消えちゃうので
なるべく気配を消しながら眺めていたのですが

 

この時間、尊いなぁ。

 

だって彼は、誰に見せるでもなく没頭してるんですよね

彼だけの世界です
人の目や評価なんてものとは無縁の、自分だけの世界が。
表現するとかしないとか、発表するとか、ない。
対象がない。

 

人に褒めてもらいたい、認められたいという概念もない

ただ楽しくて 楽しくて それだけで作り上げた世界ですもんね。


超純粋…
内側から出てきたもの そのままを表してる

 

大人も、そういう場所でずっと生きていきたいけど
なかなか難しいですよね。会社帰りのリーマンが同じことやってたら
かなり面白いですけどね


それでちょっと思ったのですが、
表現を生業と決めた場合
対象は必然的に存在するようになりますよね。
見てもらう、聴いてもらう、読んでもらう、感じてもらうとか
究極には「お金を出して買ってもらう」
とにかく評価の対象になる。

 

どの程度 リアクションを重視するものなんでしょうね?

 

私は表現者じゃないから、その感覚がはっきりとはわからない。

内側からなにか出てこなきゃ、表現することは不可能なんで
というか、表現者であろうとなかろうと誰でもみんな「なにか」は持っているけど

 

それをなんらかの形に昇華するプロセスのなかでですよ
どれだけ「評価」というものの存在は食い込んでいくものなんだろう。


アクセルが14年もチャイデモを出さなかった
主たる理由はなんだったんだろう。

 

評価、だったんでしょうかね…

 

どんなに強い人でも、怖かったでしょうね出すのは。
ライターズ・ブロックにも陥り、プロデューサーやエンジニアを替え
ミュージシャンも組み合わせをあれこれ試し、14年…。

 

まず自分が納得いく作品にしたい思いが強くあったでしょうけど。

 

全部勝手な推測でしかありませんけどね。

 

もし評価されることが重荷になって、チャイデモを出すのに時間がかかったなら

これからは、それを最小限に減らして

アクセルの内側から出てきたものを、そのまま表現してもらえないだろうか…

あの子みたいに…

 

ファンが聴きたいのは、アクセルの世界の物語ですから…。
でもお仕事だからそれは無理なのかなー

 

みたいなことを考えはじめ、


「伝説的ロックバンドのカリスマボーカリスト」とかそういう看板取っ払って
全部チャラにして作れたらいいのに。
個人名義で出せばいいのに、とかつらつら考え考えながら・・・

買ってきたものを冷蔵庫に押し込む。

 

でも、アクセルはガンズ=自分だから
そうはしないと思うし、やっぱりそういうところも好きで(笑

 

「新作まだですか、新曲まだですか」
いつも訊かれてるけど

 

こちとら20年来のファンですもの 涙出るほど聴きたいけど、
そんなにせっつかないでもいいかなと

 

自分のそんな泣きたい気持ちより
アクセル本位で、ものが作れるならそれでいい

 

ビジネスモデルとしてはダメかもしれない
バンドのメンバーにもなにかと大変な思いがあるかもしれない
アクセルはお金儲けヘタだしっていうか興味なさそうだし

 

こっちはこっちで
アクセルが出すものならなんでもいいのよ、と
よく玄人ファンの方に言われる「一番ダメなファン」やってるし(笑

 

でも、ファンの在り方なんて瑣末も瑣末
ほとんどどうでもいいことのように思います
本人に迷惑さえかけなきゃノンポリです

 

ただどんな形でもアクセルに悪い影響なんて一つでも及ぼしたくないから

ただ聴かせてもらうだけで幸せで、ライブ行けるだけで幸せで

自分という個体を認識してもらいたいという気持ちもない

 

アクセルは世の中と同じ時間軸では生きてないし

凡人がどうこう口出しできるような存在というか、いきものじゃない

凡人のものさしで天才を測ってもあんまり意味が無い…


書いてるうちになんだかわかんなくなりました笑

 

要は、あの子の視線の不思議な漂い方
外の世界と自分の世界を漂う目があまりに夢見るように美しかったので

 

生業上、評価からは逃れられない立場にあるかもしれないけれども
アクセルも自分の世界をできるだけ自由に漂って 
納得いくものをストレスなく作って 
 

そしてもう、

「好きなタイミングで」

新譜出して下さいねってことですかね

ほかになんの注文もございません そもそも注文受け付けてないけどな…笑

 

それまで、わたしはちゃんといい子にしてます。

生きている間に聴ければうれしいです。