Overcome

2017年02月05日 17:23

 

Not in this lifetime tour in Japan、初日の大阪。

大阪のことは、どうしても自分の話になっちゃいます。

それには、ちょっとした理由があるのですが。

 

大幅にオレ話を絡めながら書いていこうと思います。

 

今回の来日が決まって最初にアナウンスされたのが、大阪と東京(という名の埼玉)2日、計3日間の日程でした。

朝新聞で発表され、同日の正午に突然チケット発売になるという狂乱の幕開けについては、 来日Ticket Riot というエントリーで書かせていただきましたが(笑)今思い出しても手に汗握りますwww

 

東京公演に2日間行くことは決定アナウンスを目にした瞬間に決めましたけど、

大阪公演はすぐには決められなかった。

 

なんでかというと、自分の持っている病気?これ病気っていうのかわかりませんが、ある症状が理由でした。

パニック障害というものです。

今から十数年前。次男を妊娠中に行った美容院で突然息の仕方がわからなくなった。過呼吸と「死んじゃう」という恐ろしさ。なんの前触れもなくいきなり自分の身にふりかかってきた症状でした。

 

この症状については、近年いろいろな有名人の方が体験談を話してくださっているので、どんなものかご存じの方も多くなってきたかと思いますが、知らない人もいらっしゃいますよね。

いわゆる精神的な緊張や不安が、体調にモロ出てしまうんですね。

 

人によって千差万別ですが、一番よくある症状は過呼吸とか、死んでしまうんじゃないかと思うほどの恐怖感。

苦手なシチュエーションや場面、たいがいは狭い場所とか、自分が自由にできないと感じるところ

満員電車とか、ずっと駅を飛ばして走り続ける特急とか、美容院・歯医者さん、会議とかね、映画館やライブハウス(辛い!と思っても外に出るに出られないでしょ)

それとか、苦しくなったときに誰も助けてくれる人がいないことが怖くなる。

そういうのが、とにかくダメになっちゃうんですね。「また息の仕方がわからなくなったらどうしよう」と。

 

それまでどんなに遠くに行くことも、飛行機がどんなに揺れることも、怖いなんて思ったことがなく、なんの問題もなかったし旅行大好きでライブも映画も大好きで。

衝撃でした。本当に人生終わったと思った。

原因もなにもわかりませんでした。今になって思えば、凄くストレスを抱えていたんだと思うけど。当時はストレスをそれと感じることすらできないくらい、追い詰められてたんだろうな。うまくかわすことができる余裕がなかった。

 

長々説明しちゃいましたが、まあそんな感じです。

生きるのヘタかよ、といわれる所以がそのへんにあります(笑

 

一番酷かったときは、家から出るのすら不安でしたから、そらもう自分的には大事件です

 

いろんな治療方法を試して試して試して、でも治らなかったです。

良くなったり悪くなったりを繰り返して。

どうしても「もうどんな遠くに出かけるのも狭いところも全然平気」ってなれたことはそれ以来一度もなく、不安なく旅行に行くなんて今後もう無理なんだろうなあ、って思いながらこの十数年過ごしてきたんですね。

 

思えば幕張もZeppも、当時は決死の思いで行った的なとこあります笑

そんな自分にとって、大阪は月みたいに遠い場所でした。

 

新幹線乗車のハードルの高さったら…

行けねえわ。初日大阪なんて残念過ぎる…それが最初の気持ち。

でも仕方ない、東京という名の埼玉で2回見れれば。もしかしたら関東で追加もありそうな日程だし。

ということで、その日取ったのは二日間のチケット。

 

ホントは初日絶対見たかった。ずっと待ってたから。

関東の友達もみんな大阪のチケット取ってる。わたしのそんな事情なんて話してもないから、「えっ大阪行かないの?」って聞いてくれます

 

ずーっと考えてました。あきらめんのか?と。これ、いい機会なんじゃないのもしかして、と。

 

近場の温泉すらもう行けないって思ってたのに、いつの間にか、「行ってみる?」って自分に聞いてる自分がいて「行けるんじゃない?」みたいに答えてる自分もいて。

こんなことはあの美容院以来、一度もなかったことでした。

 

「時は来た」って私別に橋本真也じゃないんですけどね、後先考えずに友達にチケット頼んじゃった。

頼んでおきながら「抽選だから、取れなきゃ行かなくていいんだ」とかもう意味分からない心境。普通に取れたけど。

 

番号聞いて、近くのコンビニで発券した。

 

会場:京セラドーム

 

文字がひときわ大きく見えました。でも「できるようになったらする」じゃなくて、できるかどうかわかんないけど取るってなっただけでも自分的にはすごいことでした。

でも、宿も新幹線も予約なかなかできなかった。現実になるから。チケット取った時点で現実なんだけど。

 

そろそろやばい、ホテル結構埋まってきてるよと言われて、年末、恐る恐る押さえました。

ついに大阪行くんだわよ。月より遠かった大阪にだよ。

実家で迎えた元日。いよいよ今月になってしまったと実感しました。

考えないようにしてたことが近づいてくる。うわーなんてだいそれたことをしてしまったんだろう。後悔後悔また後悔。でもアクセルが来る。

嬉しいのか苦しいのかわからないとはまさにこの状態です。

みんな楽しそうに大阪に行ったらああしてこうしてあれ食べて、って話してる中に入っていくこともできなかった。

 

やっぱやめようかな。何度も思って、うーんうーんと悩みながら、

いよいよ、一緒に行く友達に「実はこれこれこういうことで、もしかしたら新幹線に乗っても途中で降りちゃうかもしれないし、迷惑かけるかもしれません」と話しました。

こんなこと話したら絶対引かれると覚悟して。

 

そしたら意外な言葉が返ってきました。

「話してくれてありがとう」と。想像もしてない言葉でした。

 

「普段なら無理しなくてもいいよって言うところだけど、ガンズだから。アクセルだから。ひきずってでも連れていきたい。あなたにどうしても見てほしい。どんなことになっても迷惑だなんて思わないし、大阪に行けるように全力でサポートするから。」と。

 

話した結果、たくさん助けられました。LINEで深夜まで励ましてくれる人あり、

ご自身も忙しいのに時間を割いて電話をくれて、なにが不安なのか、とことん聞いてくれる人あり、

どうしたら良いか一緒に対策考えようと言ってくれる人、自分の体験を話して、きっと行けるよと励ましてくれる人。大阪で手を広げて待ってるよという人。

 

みんながかならず言うのは「あなたにはどうしても見てほしい」でした

 

パニック障害を克服した経験のあるカイロプラクティックの先生にも相談に行って、親身なアドバイスいただきました。

いやこれ、お涙頂戴じゃないですよ!だけど、本当にそう言う言葉ひとつひとつに涙流すどころか、涙噴出ものでした。

 

自分たちも長いこと楽しみにしてたライブで、ストレスなくエンジョイしたいだろうに、お荷物になりそうな人間を引きずってでも連れていきたいと言ってくれたことは一生忘れないと思います。

 

それでも前日の夕方まで「やっぱ無理だったらどうしよ」って言ってました。

そしたら息子が、台所に立ってた私の後ろから

「なあなあ、ガンズが来るんだろ?もし俺だったら、這ってでも行くよ。行ってこいよ。行くんだろ?」と。

 

なんかそれで腹括れました。「そうか、這ってでも…這ってでもね…」みたいな。

 

早朝の東京駅に降り立った時には、あれほどの不安がなくなってました、あんなに悩んだのに!不思議すぎる。

一緒に行く友達が「よく来たね、すごいうれしい」と手を握ってくれた。

 

笑いながら新幹線に乗りました。もうすでに楽しかった。あんなに怖くて怖くて十数年できなかったことを今してるというのが不思議でしょうがなかったです。

なんならお菓子とか食べてお化粧のアドバイスしあったりしてました笑

 

窓の外に見える雪の降る雪原を越えて、気づいたら「次は大阪~」

大阪駅に降りたときのうれしさったらなかったです。うれしいって何度言ったかわかんない。

 

ホテルに荷物をおいて、京セラに向かうタクシーに乗りました。降り際に運転手さんが

「このタクシー、ビリケンタクシーって言ってね。ビリケンさん(神様)が屋根に乗ってるんよ。大阪でも数百台に一台しか走ってないから、乗ると幸運が訪れるって言われてるんですよ」といって、記念の乗車券を下さいました。

すげえ!!!幸運のビリケンタクシー!!!!いいことありそう!!!すでにいいことあったけど!!!!!

 

大阪に来たことだよ!!

 

京セラドームにたどり着くと、Guns N' Rosesの看板が見えました。

写真撮った。Osaka here we come!! と書いてツイートしたときの嬉しさったら。

来たよアクセル!!!来たってば!!!

 

会場には見知った顔がたくさん見えました。よく来たねって抱きしめてくれました。

初めて会う方もすごくすごく喜んでくれました。一人じゃ来れなかったんだよ、助けてもらったからここにいる。

 

待ち時間ツイッター眺めてたら、わたしへの@マーク付けずに

「今日一番うれしかったことは、白玉さんが大阪に来れたことだ」って書いてくれてた人がいました。

ガンズの初日ですよ、四年ぶりの。書いてくださったの、ガチファンの方です。

一番嬉しいことはライブを見ることでしょうに…

あれは五体投地ものですよ。泣きました。本当にありがとうございました

 

私と同じことで悩んでる人、結構多いと思うんです。

人に言えなくて、一人で悩んでる人もきっとたくさんいますよね。

でもわたし出来たから。

訓練たくさんして、出来るようになってから…ってつい思う。けど、とにかく飛び出しちゃうのがいいみたいです。

ホントになんとかなるものですよ。どんなに長い間悩んでいても、越えるときってなんだろう?一瞬だった。

時間かかったけど、今すっごい「越えた感」あります、次は飛行機乗ってみようかなって思ってます。

 

アクセルありがとう、ガナー友ありがとう!わたしはまた、人生をガンズに変えられたよね

 

待ってる間に脳内に流れていたのはEstrangedの一節

 

now that you've been broken down
Got your head out of the clouds
You're back down on the ground
An' you don't talk so loud
An' you don't walk so proud
Anymore
And what for

 

君は傷つき落ち込んでいたかもしれないが

今では夢から目を醒まし地に足をつけた

大げさに語る必要も、誇らしげに歩く必要もないんだ

もうこれ以上 なんのためにもね

 

ってとこでした。これライブで聞いたら倒れ伏して泣くやつや…

 

ということで案の定このエントリーでライブが始まらなかったですが笑

今日はこれにて(一回書きかけ原稿が全部消えたよね)。

次はライブとあのフラッグの話を書きます 長々と最後まで呼んでくださった方ゴメンなさい(笑